みなさんは夏のボーナスをもらいましたか?
ボーナスは社会人としての楽しみの一つでもありますよね。
ライフイベントが多い20代や30代の人にとって、毎月の給与とは別にもらえるお金は生活にインパクトを与えます。
ボーナスは、使い方によってはこれから先の長い人生をより豊かにする資産にもなります。
今回は、みんなのボーナスの使い道や後悔しやすい使い方をご紹介します。
この記事を参考に、ぜひ有意義なボーナスの使い方を考えてみてください。
目次
そもそも「ボーナス」とは何か?
ボーナスとは、毎月の固定給が支払われる労働者に対して、固定給とは別に支給する給与のことをいい、「賞与」「特別手当」「夏期手当」「年末手当」など、様々な名称で呼ばれることがあります。
ボーナスは給与とは異なり、労働基準法などで「支払わなければならない」と定められているわけではなく、企業の業績によって企業が支払いの有無を決められます(※1)。
※1:労働契約や就業規則で賞与の支給が明記されている場合は、会社に支払いの義務が生じる。
賞与とボーナスの違いは?
賞与とボーナスは、同じ意味で使われることが多いです。
よく支給されている賞与には、「基本給連動型」「業績連動型」「決算賞与」など、主に3種類があり、一般的に「ボーナス」と呼ばれるものは「基本給連動型」にあたります。
なお、賞与に対する考え方は企業毎に異なり、賞与分を含んだ年俸制を採用し、毎月均等の給与を支給している企業もあります。
健康保険法上の賞与の定義は、以下のように記されています。
この法律において「賞与」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもののうち、三月を超える期間ごとに受けるものをいう。
引用:e-Gov法令検索「健康保険法第三条第6項」
ボーナスとは違う?業績賞与と決算賞与とは?
先に述べたように、賞与の中には「基本給連動型」のボーナスとは別で支給される「業績連動型(業績賞与)」と「決算賞与」があります。
「業績連動型(業績賞与)」とは、企業・部署・個人の業務成績に応じて支給の有無や金額が決定される賞与のことです。成果に応じて支払われる仕組みのため、成果主義型の賞与体系となります。
「決算賞与」とは、企業の業績が好調で利益が出た際に従業員へ支給される賞与のことです。決算賞与は決算後に支給されるため、一般的な支給時期は3月〜4月が多いです。
年次決算を踏まえて支給されるかどうかが決まるため、ボーナスとは異なり、支給の有無や支給金額目安も決まっていません。
ボーナスが支給されるタイミングは?
民間企業では、ボーナスの支給時期について法律などの定めがありません。そのため、支給日は会社が自由に設定できます。
一般的には、夏季(6月下旬~7月下旬)と冬季(12月)の年に2回の支給が多いようです。
2023年夏のボーナス実績
実際に、2023年の夏のボーナスの実績がどうなっているのかJob総研 が実施した「2023年 夏ボーナス実態調査」(※2)の結果を見てみましょう。
夏のボーナスの支給の有無
「支給あり」の回答:58.4%
半数以上がボーナスの支給があったと回答しています。この結果を受けて、ボーナスの支給ありの回答は、2021年以降増加の傾向にあります。
夏のボーナスの支給額
回答:平均79.0万円
夏のボーナスの支給がありと回答する人が過半数を超える一方で、2019年から増加していたボーナスの支給額(平均額)は、2023年で減少する結果となりました。
ボーナスの金額は業種や職種により大きな差が出るため、仕事選びのポイントの一つになりそうです。
夏のボーナスの使い道1位は預貯金
夏のボーナスの支給ありと回答した417人のうち、ボーナスを預貯金に使う人は全体の83.7%でした。
内訳は、「ほぼ全額貯金」が24.9%、「半分以上を貯金」が36.3%、「半分以下を貯金」が
22.5%となり、全体の約60%が半分以上を貯金に回していることが分かりました。
※2:参考|Job総研 実施「2023年 夏ボーナス実態調査」
・実施期間:2023年7月5日~10日
・調査対象者:全国 / 社会人 / 男女(JobQサービス登録者)
・有効回答数:714名
・調査方法:インターネット調査
みんなのボーナスの使い道

物価の高騰で、私たちの日常生活でもお金の使い方に変化が出ている中、実際にボーナスを支給された人はどのようにボーナスを使っているのでしょうか。
■ 預貯金
日本の賃金の低さについては、度々ニュースで取り上げられる程、社会問題となっています。消費するだけではなく、老後の生活や将来を見据えた長期的な貯蓄に興味を持っている人が多いです。
■ 買い物
頑張った自分自身へのご褒美として、趣味や普段は手の出しにくい大きい金額のものなど、欲しかったものにボーナスを使う人もいます。長く使えるものを買うことで、その後の自分のモチベーションにも繋がるようです。
■ 旅行
コロナが5類に移行され、感染対策が緩和されたことにより、行動範囲が広がり人との交流の場が増えました。そういった変化により、外出や旅行に対して前向きに考える人が増えているようです。
■ 金融資産への投資
ボーナスを預貯金に使用する人も多くいる一方で、日本の銀行預金は超低金利であり、利息で資産を増やすことは難しい状況です。
そこで、少額から始められて比較的リスクも低く、預貯金より高い利回りが期待できると言われている「投資信託」や、株主優待や配当金を期待できる「株式投資」に注目が集まっています。
また、非課税制度を利用した「NISA」や「つみたてNISA」、「iDeCo」などは、節税しながら資産形成に活用できる資産運用方法の一つです。
■ 自己投資
ボーナスを自己投資に使うという意見もよく耳にします。
自己投資とは、将来の自分の利益になるように時間やお金を使って自分自身を成長させることを指します。
何が自分の利益になるかは人それぞれのため、自己投資にも様々なものがあります。普段の生活では、費用が気になり思うように行動出来なかったことにボーナスを使用する人もいるようです。
キャリアやスキルアップに関する自己投資例
・講習会を受講したり、資格を取得する
・知識を得るために、教材や書籍を購入する
健康に関する自己投資例
・運動不足を解消するために、ジムへ入会する
・食生活を見直すために、食材の質を高める
美容に関する自己投資例
・自分の魅力を引き出すために、エステやスパなどを利用する
■ その他
自分へのご褒美ではなく、家族へ物や旅行をプレゼントしたり、親孝行にボーナスを使う人もいます。
賢い使い方として、ふるさと納税への活用もおすすめです。
後悔しやすいボーナスの使い道

ここまで、様々なボーナスの使い道を見てきましたが、使い方を誤ってしまうとせっかくのボーナスを無駄遣いしてしまうこともあるため、注意が必要です。
では、実際に後悔をしないためには、何に気を付けたらよいのか見ていきましょう。
■ 衝動買い
まず、注意が必要なのが、衝動買いです。
一時的に欲しいと思っても結果的に使わないというケースが多いです。普段なら購入前によく検討している人でも、まとまったお金が手元にあると、ついつい金銭感覚が鈍り、騒動買いをしてしまうことがあります。
衝動買いを防ぐためにも、予めボーナスの使い方の計画を立てておくことがおすすめです。
金額や必要性を十分に吟味しておきましょう。
■ ボーナスを当てにした「ローン」や「クレジットカード決済」など
住宅や車のローンの支払い方法には、ボーナス払いがあります。
ボーナス払いとは、ボーナスが支給される月に合わせて、毎月の返済額とは別でローンを返済する方法のことです。
このボーナス払いや多額のクレジットカード決済にも細心の注意が必要です。
なぜなら、冒頭で述べたように、ボーナスは景気や企業の業績によって支払いの有無や金額が左右されるからです。
ボーナスを当てにしてローンやクレジットカード決済の支払い計画を立てると、ボーナスが入らなかった場合や金額が減った際に大きなリスクを背負うことになります。
■ 生活費
ローンやクレジットカード決済と同様の理由で、ボーナスで固定費を補填することを前提とした考え方にも大きなリスクがあります。
住宅費や水道光熱費など、日々の生活で必ず発生する固定費は、月々の給与で支払いができるような家計が理想的です。
ボーナスを生活費に当てる場合は、ボーナスの支給額が想定よりも少なくなる可能性があることを十分に理解した上で、余裕を持った計画を立てるようにしましょう。
ボーナスを有意義に使おう
いかがでしたか?
ボーナスは給与とは異なり、必ず支払われるものではありませんが、お仕事をしている以上、頑張りを還元してもらえると達成感やモチベーションに繋がりますよね。
しっかりと計画性を持って使えば、ライフイベントに役立つ資金にもなりますので、転職をする際は、ボーナスの有無や支給実績も企業を検討する材料の一つに加えてみても良いかもしれません。
ボーナスの使い方は人それぞれです。
せっかくもらえたボーナスを無駄にすることがないように、今回ご紹介した使い方や注意すべき点を参考に、有意義に使いましょう。